Monday, October 13, 2014

長野県の高校演劇県大会,個人的にここが気になる。の巻。

さてさて,あと3週間後に迫ってきた長野県の県大会。

長野県は関東ブロックの北に属するのだけど,南も含めて11都県中一番早く都県レベルの大会がやってくるのです。
つまり関東大会行きの切符がいち早くゲットできる…!

上京して早8年目。今まで一度も県大会には行っていなかったのだけど,今年はがっつり泊まりで観に行きたいと思ってます♡(´▽`)♡

8年経てば部員も二回転くらいしてるし当時の顧問の先生方も散り散りになっているし,状況もいろいろ変わっているんだろうなーと思うのですが,県大会を通して2010年代の長野県事情に追い付きたいなと思います(-ω-)☆



各校発表順も決まり,ご丁寧なことに地区大会の写真とかあらすじが長野県高校演劇連盟のwebにupされているので,それも参考にしつつ,個人的に気になる3校を取り上げてみたいと思います。

(紹介順は上演順)

①長野県屋代高校『南京の早春賦』
作:小川幸司
11月1日(土)9:30~

私はこの高校が地区大会でこれをやると知った時から,観に行きたくて仕方がありませんでした。仕事が入らなければ平日であろうが観に行きたいと思ったくらいです。

なんでそんなに…と言われたら,それは初演を生で拝見したから。
2003年の秋に。松本深志が上演していたのをね!
県大会も観に行ったり,クリスマスアトリエ公演もお邪魔させてもらったり,近くから遠くから,3ヵ月くらい,作品の成長をお客として見届けました。
(ちなみに当時の感想はこちら。)

影アナの入りとか,中国語とか,とにかく衝撃的としか言えなくて(でもその2年前にはポルトガル語が舞台から飛び出してきたので,外国語にはそこまで驚かなかったかも。「またか!」みたいな。笑),地区大会の2日目しょっぱなから,なんて爆弾を落とされたんだろう!と思ったものです。

私が2001年からブランクも含めて今まで中信地区を観てきた中で,中信地区全体の最盛期は2003-2004年だと勝手に思っているんです。
その同時期に,同じ地区の他校にいらした先生が今屋代で顧問をされていらっしゃるということも,気になる高校に取り上げた理由のひとつ。

なぜこの時期にこの作品を選んだのか,すんごい気になるんです。もちろん,顧問の先生の意向なしで選ばれたのかもしれませんが,少なからず部をマネジメントされているはずで,結果それを選ばれているので。
「良作は再演されるもの」と言われたらあぁそうかとも思うのですが,カンパニー(団体・学校)を選ぶ作品だと思うので,屋代さんの挑戦的な姿勢を演目から感じられるのです。

そして,私は中信地区以外の学校事情はあまり詳しくないのですが,屋代は(レベル的に)深志に似ている気がして。そしたら集まってくる生徒さんの特徴も,もしかしたら似通う部分があるのかな。
だったらなおさら,屋代さんがどういう舞台をつくるのかが気になるのです。

あとあと,戦略的なところ(?)を考えると,屋代さん,地区大会でも初日の朝イチじゃないですか…。
朝イチにピークを持ってくるトレーニングを既に積んでいると思うので,強そうですよね…。

とっても個人的な理由でしたが,舞台や作品に対する思いは人それぞれだからいいんです。ってことにしてください。
とにかく私が県大会に行く理由の大半は,この高校のため!笑


②長野県木曽青峰高校『砂漠の情熱』
作:日下部英司
11月1日(土)16:50~

(じゃあもうこれであのおふたりも引退かぁ~…)と思いながら拝見した地区大会。
まさかの…まさかの県大会出場…!
3年生で初めての県大会。きっと嬉しいんだろうなぁ。
(ちなみに地区大会の感想はこちら。)

私が中学生の時の台本選出基準は,「何を伝えたいか」というメッセージ性が重視されていました(たぶん)。「家族の絆」とか「美しさとは何か」とか,そういったもの。
でも高校生になって,そればっかりじゃない,テーマがはっきりしない(どストレートじゃない)ものを選ぶことが増えてきました。
もともと「こういうことを伝えたいんですババーン!」っていうようなどストレートなものはそこまで好きじゃなかったので,世界が広がったような気がしました。

そして20代半ばになって思うことは,観客と役者が同じ空間を味わうこと,時間を共有することそのものが芝居の醍醐味だと思うようになりました。

私は大学生になって,ストレートプレイに限らずいろんな作品を観るようになりました。
Noismとか,ピーピング・トムとか,コンテンポラリーダンスの魅力を知ったのもこの時期。
特にコンポラなんてわけわかんないと観てて思うこともあるのですが(笑),意味を見出す努力をするより,その空間を味わうことの方が作品を楽しめるのだと気づけました。何よりその方が,おもしろい。

『砂漠の情熱』はこれが存分に味わえる作品だなぁと思うのです。
観客と役者の駆け引きを味わうことに,高校演劇もプロも関係ない。
バイアスなしに,そう思える作品です。
大抵の高校は60分ギリギリの作品を持ってきて,時間との戦いという面も大会にはあるのですが,そういったものにとらわれず演じられるのも,この作品の魅力だと思います。

ちなみに地区大会では木曽青峰と蟻ヶ崎の“日下部対決”があったそうです(あったそうですっていうか,あったんだけど。そう呼ばれてるらしい)。
作品の方向性が全然違って,日下部先生すごいな…と思いました。
誰がどう見ても,気合いを入れている“脚本”は蟻ヶ崎の作品なのだけど,純粋性が高い“脚本”は木曽青峰だなと思いました。←“脚本”って言ってるのは,ここでは各校の演技のことには全く触れていないことを強調するため。
「こういう作品を書きたい」という先生のお話は,2006年くらいにお聞きしたことがありました。たとえ書けたとしても,条件が揃わなければ上演はできないと思うので(例えば部員が20人いたら,とてもじゃないけど無理。),この作品を世に出すために先生は木曽青峰に異動されたのではないか…と思っています。

もう二度とお目にかかれない作品だと思っていたので,また拝見できると思うととても楽しみ!


③長野県茅野高校『夜長姫と耳男』
原作:坂口安吾
構成:長野県茅野高校演劇部,郷原玲
11月2日(日)16:15~

茅野高校のお芝居は拝見したことがなく,周辺情報しか知らないのですが…。4年連続の県大会ということで,ベースの力がおありの学校なんだと思います。
今年中信地区大会で郷原先生の作品を拝見し,入部して半年の1年生のみなさんがあそこまでのパフォーマンスをされていたことに驚きました。ここから茅野高校さんのご様子もなんとなく想像できるのです。純粋に,どんな舞台が観られるか楽しみです。

また,構成が演劇部と郷原先生の連名なので,半分くらいは先生がお書きになったり,演出を考えていた作品なのかなーとか想像しています。
顧問の先生のお力が強い場合,出ていく側も入ってくる側もショーゲキだと思うのですが,残された「出ていく側」のみなさんが,どこまで,何を引き継ぎ,何を変え,何を取り入れるかって,かなり難しい選択なんだろうなと思います。

頼りつつ,依存しすぎず,脱却を図ることって1年ちょっとやそっとじゃできないことかもしれませんが,新しい時代がやってきた(といってもそれまでを観ていないのでなんともですが!)茅野高校さんの舞台を拝見できるのを楽しみにしています。
特に「入ってきた側」の美須々も合わせて観られるので,ある意味今年は郷原先生の軌跡をたどれる県大会になるのではないかと思っています。

憶測ばっかりですみません。

他にも,Twitterでフォローさせていただいている方の高校がいくつか出場されるので楽しみですが,あまり自分の中で情報がないので書けません。
県大会で拝見したあとに,感想としてまとめたいと思います。


以上,カサハラリカの超個人的な気になる高校話でした。

昔々の写真。私が高3だった時。県大会に出かける直前に後輩が撮っていた1枚。

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