Sunday, November 22, 2015

「平均」を知ること。

ここ最近,平均的な発達の力を実感することがたくさんありました。

私は普段のお仕事で,年長さん~中学生くらいのお子さんにお会いしています。が,発達にでこぼこがあったり,その学年の学習についていくことが難しいお子さんが多いので,たまに(この年齢ってどれくらいのことができるんだっけ。)と,“平均”がわからなくなってきます。
でもやっぱ,先輩が掛け持ちしているお仕事の話を聞いていて,「昨日仕事で保育園に行ったら,2歳児さんが給食の時間に全員の配膳が終わるまでちゃんと待ってたんだよ~」とか,「4歳児さんははさみバリバリできるね!」とかそんな情報が入ってくるので,そうなのかーと勉強しています。


そして先日,私が掛け持ちして働いている小学校の作品展がありました。全校児童のいろーんな作品が一度に観られる絶好の機会♡
勤務日じゃないですが!
無給ですが!
絶対素敵だと思って観に行ってきました!!!


作品ももちろんよかったんですが,それと同じくらい良かったのが6年生による「学芸員」のお仕事。
各作品について説明してくれるのです。1~5年生の作品も紹介するので,どこがどう大変だったとかここがこだわり…なんてことも,実際にクラスに出かけていって聞いてきたみたい。

こんな魅力的なものに私が食いつかないはずがない。笑

ほぼ6年生の話を聞いて回ることで午前中は終わってしまいました…。
でもすごいね6年生って。あんなに他者を意識して喋れるんだ。それぞれ何を喋るかはあらかじめ決めていたみたいだけど,興味津々の私は,6年生の解説の子には「○○さんの作品はどこ?」「どういうとこがポイント?」とか,それ以外の学年の解説の子には「△△さんは,この作品の中だったらどれが素敵だと思う?」「何で?」とか,ガンガン聞いてしまった。

お子さんによって反応は様々で,「えー。そんなふうに観たことないんでわかりません」と答える子もいれば,「いやぁ,全部おすすめです!」みたいな子もいれば,「僕はこれがいいと思います。なんか他と描き方が違って,きれいだなって思います。」みたいにきっちり理由まで含めてお話できる子もいて!!!びっくり!びっくりです!!!そうか6年生ってこんなに主体的に&相手に伝わるように喋れるのね!
3年生の作品を説明してくれた6年生が,まるで自分が作ったかのようにお話している姿が非常に印象的でした。

あと図工の作品以外に家庭科の作品(クッション)展示もあって,家庭科の先生にお話を伺ったところ,「この配置は,『隣同士であんまり色がかぶらないようにねー』って言って,本人達にやらせたんです。」とのこと…。クッションはキットで作っているので色の数は限られているのだけど,同じ色で固まっているレイアウトは全然なくて。6年生の理解と行動できる力にただただびっくり。すごいな6年生。

児童というより主に6年生か…。でも,この年でこんな作品作れるんだ!というものがたくさんあって,とってもとっても刺激的な作品展でした。


+++


その翌日は他大学におでかけ。
赤ちゃんを心理学的に分析した事例の発表を大学院の同期と聞きに行ってきました。
生まれたばかりの頃から2年間,赤ちゃんを定期的に観察するというものなのですが…

赤ちゃん,すごいぞ。

というのが率直な感想。定型発達(という言葉が嫌いな方もいらっしゃいますが,いわゆる平均的な発達を遂げている赤ちゃんを指すことにします)の赤ちゃんの心の動きっぷり,他者との境界線の引き方,相手の反応を引き出す仕掛け方に,ただただ驚き。私もこの観察,やってみたくなりました。笑

こんなにも豊かな心があって,社会的な生き物なのか,赤ちゃんって…。やー。正直びっくり。この豊かさをさらに深められるかは,環境や関わり方にもよるんだろうな。

でも私も昔は赤ちゃんだったので,自分はこんな関わり方をしてもらえていたのだろうかと思うと,少し苦しく感じるところもあり。それがこの観察の難しいところでもあるみたいです。

そういえば9月に実家に帰省したときに,我が家の3きょうだいの発達を比較するために母から母子手帳を拝借して記録を見比べたことがあったのですが…皆そこそこ普通に育っていたので安心しました。笑
母もそこそこ私に関わってくれていたよう…。

だけど赤ちゃんと母親が関わることって,時間的・精神的余裕がないと難しいというか…,質が落ちてしまうよなぁと思うと,現代のお母さん達って大変なんだろうな。
あと発達でこぼこの赤ちゃんたちは自分からの発信が少なかったり独特だったり,母親に(通じ合ってる!)と思わせる力が弱かったりするので,そういうところも子育てに難しさをつくってしまうのだろうなーとも感じました。



そんなわけで,子どもの「平均」の能力の高さを感じた2015年晩秋です。

さらにそういえばM1のときに履修した学校臨床の授業で,先生の「クラスに入ったらまず何をしますか?」という問いかけに対して,『気になる子を見ます』とばかり私達は答えていたのですが,「まず普通の子どもを見ましょう」と伝えてくださった先生の言葉がときどき私の肩をトントンしてきます。
平均を知ることで,初めてそこからどれくらい外れていると大変なのか,しんどいのかがわかる。目の前の子どもについて,主観の目と客観の目,どちらもバランスよく使って見られたら良いなと再認しました。
この仕事を続ける限り,こころのべんきょうは終わらないです。

今日の一枚。2011年の冬に,浜松町の世界貿易センタービルから撮りました。
「東京」も日本の平均からかけ離れていることを再認するための,一枚。

No comments:

Post a Comment