2年前の夏,TSUTAYAで借りてウォークマンに入れたアルバムがあります。
推定少女の「16~sixteen~」です。
「情報」と「ワレモノ」を聴くため。
中学3年生のときに「情報」がシングルで出ていて,当時もレンタルしていたのです。
私は新しい曲をウォークマンに詰めていくよりも,昔懐かしのあの曲を集めたいという気持ちが強くて,推定少女もそれで借りました。
とりあえずアルバムを入れたら,その曲順に一度聴くようにしているので,このアルバムもアタマから再生。
2年前の私は,20代半ばだというのに高校で部活をしていて,月に何度か東京から母校へトコトコと帰っては高校生のような楽しいことをしていたのです。
「間違い」と「鍵が開かない」を初めて聴いたのは,高尾で松本行きの電車を待っていたときのことです。朝の6時くらいのことです。
衝撃的でした。
なんて,今の自分にぴったりなのだろうと。
「もういいよね もういいよ
これ以上は何も望まない
もう一度 あの頃へと戻れるなら
それは素敵だけど もう…
もういいよね もういいよね
これで…休めるの
もう一度 あの頃へと戻れるのなら
それは素敵だけど きっとね」
場所とか,状況とか,そういう具体的な記述がない歌詞で,ぼんやりとしているのだけど,それがまたいろいろ想起させてくれる。
なんか,死にそうな歌詞じゃないですか…。
死に際にアタマに浮かびそう。
戻りたいけど戻れない。
心情的にも,現実的にも。
そう思っていた時期だったから,射抜かれたような気持ちです。
タイトルは「間違い」だけど,歌詞には一切この文字は出てきません。
何が「間違い」だったのか,それもこちら側に委ねられていて,思いが巡る曲だなぁと思います。
そして「鍵が開かない」は,「間違い」と対照的に,いろいろと具体的な歌詞。
事実の羅列から「私」の退廃的な気持ちがにじみ出ていて…好きです。
昨日まで開いた鍵が今日は突然開かなくなってしまったという不条理が切ない。
どうして開かなくなってしまったのかということを考えると,なんだかとても切なくなるのです。
それから,「家」はやっぱり居場所であって,全てじゃないけどそれに近いものなんだなって思います。
「だけど鍵が開かない 家に入りたい
他に帰る場所はないの ああ
鍵を開けて もうこれ以上 ひとりにしないで」
歌詞だと淡々としてますが,いや聴いても淡々としているのですが,迫ってくるものがあります…。
そう。歌唱力というよりは,迫ってくる何かがあるユニットなのです。
「間違いは」22:49,
「鍵が開かない」はそのあとの28:10からです。
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