Saturday, May 30, 2015

高校演劇における大会会場規模の違いについて―東京都と長野県の比較から―

ごきげんよう。カサハラです。
無駄に大学のレポート風なタイトルにしてみました。笑

今日は昨年度からずーっと気になっていた,【東京の高校の演劇部にとって,ホクト文化ホール(中ホール)くらいの会場はかなり広くて大変らしい】ということについて書きたいと思います。

これに気づいたというか「そうなんだー!」と知ったのは昨年度のこと。東京都立高校演劇部の顧問の先生とお話させていただいたときのことでした。


先生「八千代(南関東大会の会場)は広くて大変でした」

私「…えっ?あの会場がですか?」


衝撃でした。八千代市市民会館(あとで調べて1,260席ある会場と知りました…)が,東京の演劇部の皆さんには広いというのです!

先生と話を進めると,その学校の地区大会は約150席の小劇場,都大会は東京芸術劇場なのでシアターイーストで最大324席,ウエストで270席の箱で上演し,関東大会出場を果たしたことがわかりました。(都大会は2つのホールで同時進行の大会になるらしい。都の校数の多さよ…。)

確かに…1つの作品を150席の劇場用につくるのと,1200席の劇場用につくるのではとんでもない数の変更や作り替えがありそう!というかもはや同じ作品になるんだろうか!


この話を受けて,わかった&考えたことがふたつ。


①長野県は常に関東大会の会場レベルで地区大会をやっていた。

カサハラさん,調べたくなっちゃったので調べました。長野県の地区大会の会場キャパ。(※会場は昨年度のもの)

北信:千曲市更埴文化会館大ホール…960席(そして昨年度の北関東の会場)
東信:上田市文化会館…502席
中信:まつもと市民芸術館主ホール…1,800席
諏訪:諏訪市文化センター…904席
上伊那:長野県伊那文化会館大ホール…1,512席
下伊那:飯田市鼎文化センター…599席

(ちなみに…
昨年県大会で使用したホクト文化ホール(長野県県民文化会館)中ホールは1,070席。
中信地区が2004年度まで使用していた塩尻市レザンホール大ホールは1,206席。ここも関東の会場になったことあり。)

なんか…そうだったんだ…という感じ…。(・_・)
逆を言えば…長野県って,地区~関東はほぼ同じ規模の箱で作品を作ってるって考えていいんだーって。(東信中信下伊那は平均から外れてると思うけど。)

でもきっと長野県に限らず,東京以外はほぼこんな感じなんだろうなと思います。東京の大変さが少しわかった気がしました…。


②地域にひとつ,なんでもBOX

昨年度,久しぶりにたっくさんの高校演劇を観た私は,アラサーにして気づきました。

“会場の規模を考えた作品を作るのも,戦略のうちだな”と…。(´ `)

すごーいと思った学校は決まって,舞台美術が良いのです。
箱の大きさにあった舞台装置を作って,照明を作って,キャストが動いているのです。

が。残念だと思った学校は決まって,やたらキャストや場転の移動距離があって出はけに時間がかかったり,舞台の枠のサイズに対して動きがこじんまりとしているのです。

「もともとうちはこう作ってて,今回たまたまこの大きさの箱だったんです」というように潔ければそれでもいいけど,“大会”として観た時にはやっぱりそこもポイントだと思うのです。箱のサイズと自分達のサイズが,いかに歩み寄れるか。


で,②のタイトルに戻りますが,そう考えた時に,普段空き教室や○○科教室を借りて稽古している高校生が,果たして1,000席前後の空間をきちんとコーディネートできるのかなーと思ったり思わなかったりします。

決して“劇場”として作られた訳ではない箱で,クラシック音楽やバレエや何かの講演会なんかに使われるような箱で,強めの言い方をすると「とりあえず広ければいいでしょ」みたいな空間を埋めるのって,結構大変なんじゃないのかな。ていうか大変だと思うのですよ。もう私は250前後の空間で地区大会とかで,全然良いんじゃないかと思っちゃうんだけど。大ホールじゃなくて,小ホールで。

音楽にもミュージカルにも何にでも使えるおっきな箱が各地域にボン,ボンっとはあるけど,地方って劇場として作られる箱がないなーと,先生とお話していて改めて思ったのでした。

それが良いか悪いかとかではなく,長野県だと演劇部にいても劇場の舞台に立つ機会って実は少ないんだなーって。

安定した規模で大会ができる地方と,各大会で規模は変わっても劇場で大会ができる東京。文化の差も感じたのでした。


+++


ここからちょっと話がずれますが…

さっき北信~下伊那のキャパ数をまとめていて…

やっぱまつ芸桁違い…!ということを再認。
それもそのはず。まつ芸は日本で5本の指に入っちゃうサイズの箱らしいから…!

でも正直主ホールで地区大会を観ていると,ちょっとむなしい気持ちになるのよね…。
広すぎて広すぎて,私はこの空間をモノにしている高校に未だかつて出会ったことがありません!!!!!
舞台からの熱気を感じたり,客席からの熱気を感じたこともありませーん!!!!!(断言)

理由はひとつ。広いから,エネルギーが拡散しちゃうのですよん…。(><)

はっきり言って地区大会で使うにはぜいたくというか,誰がどうやっても会場は埋められないし,使いこなせないと思うのですよ…。
「服に着られてる」という表現がありますが,そんな感じ…。高校生が会場に呑まれている…。

お客さんがいてこそ舞台というものが成立するなら,1800席(といっても2階以上はクローズしてるけど)に各学校の部員や保護者や友達が散らばって座ってみてくださいよ…
まばらになっちゃうじゃないですか…
舞台と客席,遠くなっちゃうじゃないですか…
ぜ,絶対やりにくいと思うのだけど…。

そんなわけで,もうちょっとコンパクトなところ(それこそまつ芸の小ホール)でも全然問題ないと思っているお客のひとりです。
大人の事情とか,立地条件とか,いろいろあるとは思うけど。

とか,言いたい放題ですみません。でも小ホール主ホールどっちも高校生のときに使用させていただいたことあるひとだから,書いておきます。
(あ。ここが関東とか全国だったらとても素敵だと思うし,使いこなせる高校も絶対あるはずだろうとも思います。笑)



相変わらずの言い逃げ&とっちらかりですみません…。
そしてここまで書いていてアレですが,来週は長野県松川高校演劇部の皆さんが全国大会に持っていく作品『べいべー』を,あのまつもと市民芸術館主ホールで上演されるそうなので,おでかけしてきたいと思います。
松川の皆さんとまつ芸のコラボ…。どんな舞台になるのかな。わくわく。

最近,干支が一回りして再び私の名が長野県内に知れ渡りつつあるらしいという噂を小耳にはさんだので,もうちょっとひっそりしたいと思います。笑
アラサーになったカサハラリカは,相変わらずいろんなことぺちゃくちゃしてます…。
おしまい…。

(※各会場のキャパ数は,基本的には会場の公式webサイトから引っ張ってます。客席数が変動する場合は,最大席数を記載しました。)

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