Monday, July 20, 2015

長野県の高校文化祭を9校巡って2015 -演劇部(班)の公演から感じたあれこれ-

ごきげんよう。カサハラです。今年の夏はひょんなことから北信~南信9校の文化祭を巡ってしまいました。
どうしてそんなことを!ということは既に以前の記事に書きましたので割愛して,今回はその9校を通して感じたこと・考えたことをまとめたいと思います。


長野県,広かった。
私は諏訪市で生まれ,松本市で育ちました。今の実家は大町市(←住んだことはない)。諏訪も大町も,松本から車で1時間くらいで行けるような距離です。エリアで言うと中信(大町はその中でも上,諏訪はその中でも下というか南信の上に入るのかも)でまとまるところ。
狭ーいエリアしか知らなかったなぁということが,今回よーくわかりました。
長野市の一部に行っただけで北信がわかった訳ではないし,飯田市の一部に行っただけで南信がわかった訳でもないけれど,エリアによって地形も違うし気候も違うし山の景色も全然違う!自分の目で見て…改めて実感しました。その土地にはその土地の歴史や文化や事情がある。その上に地域というコミュニティがあるし,学校がある。そんなことをしみじみ。長野県って広いなーって,再認しました…。

ホームに行けてよかった♡
上の項目にも絡んで。大会も大事。ホールや劇場で公演できるのも素敵。でもその学校に足を運ぶことで,その部(班)員のみなさんが普段どんな環境で生活し活動しているのかを少ーしだけでも感じることができました!大きな収穫です!!

各校の今年のメンバーのベストが観られた。
作品選び,空間づくり,お芝居…もろもろ含めて,今年度のオールスター&ベストメンバーでの公演が観られるのは文化祭だけ!!!どの学校も,言うまでもないけど3年生の存在感はかなり大きかったです。
大会みたいに60分という制約がないから,15~110分,各校それぞれの尺で公演を打っていたのも文化祭ならでは。やりたいこと,やれることが観れたなって思います。
どんな場所(ex.小体,特別教室,一般教室…)で公演するか,空間をどうアレンジして使用するかも,その部(班)次第。他の発表との兼ね合いもあるから全てが思い通りにはいかないかもしれないけど。アレンジの仕方からその学校の個性があって,開演前からもワクワクできました。

「劇を発表する」のではなく,「公演を打つ」ということ。
開場前のMTG,開場時の受付体制,客席案内,開演前のアナウンス,カーテンコール,客出し…。
お芝居そのもの以外にも本番ではやらなきゃいけないお仕事はたくさんあると思うのだけど,ここは結構部(班)のやり方が見えるので勉強(?)になりました。良くも悪くも,“お芝居(だけ)をする”のではなくて“(開場前~客出しまで含めて)公演を打つ”意識があるかどうかが見えました。まぁ私達はお芝居を観に行っているのであって,その前後を見に行っているのではないのだけど,会場に足を踏み入れた瞬間からお芝居は始まっているという考え方に立てば,そこはおざなりにはできないだろうなと思う訳です。
そして私はそういうスタンスで観に行っているので,びっくりしたりしゅんとしてしまうこともちょっとありました。例えば…

①開場中の教室から中庭に向かって「□時△分から演劇部(班)公演でーす!」と宣伝する部(班)員さん。もちろん役の格好で。
→これはちょっと興ざめ。どうぞ廊下に出て1フロア降りるなりして宣伝してください…!と思いました。同じ空間に,お客さんが既にいまぁす!笑

②だだっ広い客席を整理するひとが誰もいない
→パンフレットが椅子に置かれている方式だったので,客席を整理するひとがいないと余計に「これって席取ってあるの?」に思えてしまって,着席を躊躇するひとがちらほら出ていました。一人でいいので,案内係がいるといいよね。

③開演前のアナウンスがぐだぐだ。
→文化祭公演は身内向け公演といえばそれまでなのだけど,そういう甘さを差っ引いても,(それってお友達に向けて喋ってる口調ですよね)と感じるアナウンスがあり,ちょっとがっかり。友達でも家族でもここにいれば観客なのであって,お客に向けて話していることを忘れないで…!

開場前アナウンスの中身について考える
これも,きちんと考えて臨んでいるかがよーく見える部分だなって思います。笑
個性が出るし,何を大切にするか(写真撮影・途中退場などなど)はその部(班)によりけりなのでベストなアナウンスってないとは思っているのですが,「途中退場は禁止です」とびしっと言われてしまうと(え…。)って思ってしまうことも少なくないです。
もちろんやる側としては最後まで観てほしいと思う…と思うのですが,大会みたいにしっかり意思を持って観に来ているかと言われると,そうでない人もいると思うんですよね。係活動の合間を縫って観に来た人もいるだろうし,気合い入れて来ていても暑さにやられて途中で具合が悪くなる場合もあるし。「禁止」というちょっと強めのワードが入ってしまうことで,逆に(具合悪くなったらどーしよ。)と心配してしまう方も中にはいらっしゃると思うので,カンパニーとして本当にしてほしくないこと(無断撮影・フラッシュ撮影・ものを食べる…)と条件付きですすめること(途中退場の場合はこう,飲み物のむ…)を教えてくれると嬉しいなと思います。

(あと余談だけど,高校演劇だからなのか文化祭だからか長野県だからかわからないけど,「万一上演中に地震が発生したら…」「非常口は…」っていうアナウンスはどの学校もなかったです。実際起きなかったしよかったのだけど。でもお客さんを抱えている時にそういうことが起きたらどうするかっていう情報は,アナウンスしなくても最低限部(班)員で共有できてると安心して公演に臨めそう…。)

そもそも誰が部(班)のイニシアチブを取るのか
開場時間に気を配って,開演までに誰がどう動いて…というスケジュールを組んで仕切る人は誰なのか…ということも,なんだか気になりました。いやスケジュールを組むのは誰でも良いけど,仕切る人かな。部長?演出?舞監?制作?それとも顧問の先生??
それもその学校の事情があって当然なのだけど,顧問の先生がワンマンで動いている(ように見える。顧問が動いてそうなっているのか,部員班員に主体性がなくてそうせざるを得ないのかはわからないけど)ところがいくつかあって,部(班)員の皆さんはそれでいいのかなーなんて思いました。逆に顧問の先生は本当に裏方に徹していて,部長さんがきっちり主導権握っている学校なんかを見ると,(しっかりしてるなー)って思えました。

はい。…なんか,ほんとにそれだけなんですけど。でも今文章書いてて,どういう理由で顧問がワンマンっぽくなっているか(顧問がぐいぐいしてるのか,顧問が引っ張らざるを得ないのか)って,部(班)の質がかなり違ってくるなーとも思いました。

この学校の,ここがよかった!
9校巡って,各校いろんな工夫があったと言ってきましたが,具体的にどこの何が良かったのかを書き残しておきたいと思います。(各校のみなさん,企業秘密にしてたことだったらごめんなさい…。笑)
観に行った順に挙げると…

①飯田高校&長野東高校のパンフレット
→単に今回の公演の情報だけでなくて,次回の予定(大会日程)が載っていました。北信のように具体的に日程が決まっていたら載せられるにこしたことはないし,細かい時間まで載せられなくても「9月下旬にあります」って宣伝することが大事だと思うので!いい紙の使い方してるなって思いました。
写真は長野東のもの。A3二つ折りの,裏ページ下。

②屋代高校の案内表示
→棟の入り口,各フロアの階段前,階段の踊り場など,かなりいろんなところに「こちらです」の表示がありました。もはや迷いようがない。丁寧すぎる。そして表示もラミネート加工されているから繰り返し使える。頭いいなぁって思いました。

屋代の案内表示。 「もうちょい!!」とかカワイイですね。笑

③木曽青峰高校&田川高校の空間の仕切り
→多分というか確実に(前)顧問の先生のプランだと思うのですが…。
小体育館で公演すると言っても使用する空間はごく一部なので,声が必要以上に散らないよう,客席の後ろに反射板代わりのでかパネルを設置しているのです。この2校。これによって,外からの音を多少ブロック&声も多少聞き取りやすい&ついでに劇場感が増すというメリットが…!


これは数年前に田川高校で撮らせてもらったもの。今年はうまく撮れなかったので参考写真です…。
木曽青峰もこれの規模小さめな感じでした。

④田川高校の飲み物提供
→ありがたいことに,入場すると飲み物コーナーが…。私もお茶いただきました。近年だと熱中症対策とかの意味もあるだろうし,単純に嬉しいよね。笑

⑤蟻ヶ崎高校の熱中症対策
→これでもかというくらい対策していて,毎回すごいなぁ~って思います。笑
客席の下にバケツ+中に巨大な氷が元々あって,さらに入場時にパンフレットと一緒にジップロック入りの氷+水滴対策のタオルを配布してくれるのです…。あ,あと上下に客席に向けて扇風機。
蟻高は吊ってる照明が多い&教室公演&集客率も高いので,終演間際とかは本当に蒸し暑くなるんですが,氷と風に助けられます…。溶けてしまったら再利用は難しいと思うんですが,よく毎公演準備されるなーと思っています。(クーラーとかがなくても,工夫で体感温度を下げる実践例!という感じ…。)


はー。書いた書いた。

9校全体を通してまとめたかったことは,おそらく書けた。はず。
なんか本当に勉強になったなー。私の中の長野県の地図も,立体的になった感じ。

文化祭公演ってその学校の部(班)の原点だし,中学生に気軽に観てもらえる公演だし,OBOGも来ちゃうし,ワクワクするよね。今までと今とこれからが同じ空間に存在する公演なんて,これくらいじゃないでしょうか。

1年でこんなにお邪魔しちゃったのは,後にも先にもこれっきりです!(宣言)
来年以降は遠くから各校の発展をそそっと見守りたいと思います!笑

本当に,みなさまお疲れ様でした。
引退された3年生の方は,ご自分の進路が開けますよう。
1,2年生の方は,これからのご活躍も応援しております!
お邪魔しました~。



*足を運んだ高校まとめ*

6月28日(日)
長野県飯田高校 第60回高松祭

7月4日(土)
長野県長野東高校 第42回東雲祭
長野県長野西高校 第56回梶の葉祭

7月5日(日)
長野県屋代高校 第59回鳩祭
長野県上田東高校 第46回あずま祭

7月11日(土)
長野県木曽青峰高校 第7回蒼陵祭
長野県田川高校 第33回蒼穹祭

7月12日(日)
長野県松本深志高校 第68回とんぼ祭
長野県松本蟻ヶ崎高校 第67回ぎんが祭


総移動距離は約1,470km!

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